
私はコーチングや経営コンサルティングなどをしていますが、「早く結果を出したい」と、時に功を焦ってしまう人もいます。
たとえば、秒速で成功したい、すぐにスポーツや習い事を上達させたい、投資ですぐに大儲けしたい、一足跳びに有名になりたいなど。
ところが、こういう人ほど、成功するどころか大きく損をしてしまいます。
なぜでしょうか?
理由は、「根」がしっかりしていないうちに、「花」を咲かせようとしてしまうからです。
生物でも熟してないうちから世に出たら大変な目に遭ってしまいます。
ビジネスやスポーツなどの世界でも同様なのです。
しっかりと基礎ができていないうちに世に出てしまえば、一時はうまくいくこともあるかもしれませんが、必ず行き詰まりが来てしまいます。
功を焦り、冷静さを失った状態では、詐欺に騙されるなどの憂き目に遭う可能性もあるから注意が必要です。
会社であれば、しっかりと商品力をつけないままに世に出せばクレームになり信頼を落としてしまいます。
従業員を教育しないで営業に出せば、これまた信頼を落としてしまいます。
ファイナンスや会計の勉強をしないうちに借金をすれば、不利な契約を結ばされて大変な損失を被ることがあります。
税の仕組みを学ばなければ、例え儲けたとしても高い税金が取られたりすることもあります。
易経には「風山漸(ふうさんぜん)」という言葉があります。
風山(ふうさん)とは、高い山にある樹木のことです。
漸(ぜん)とは、水際を徐々にゆっくりと水が浸していく様を意味します。
要するに、風山漸とは、ゆっくりと、着実に、順番通りに進んでいくことの重要性を説いた言葉です。
この風山漸はビジネスやスポーツ、人間関係など、あらゆることに当てはまるのではないでしょうか。
また、気功でも同様です。
気功は一朝一夕に身につくものではありません。
日々の鍛錬の積み重ねがものを言う世界です。
あせらず、じっくりと、功を重ねて行きましょう。